素朴な疑問 登記名義の変更手続き(相続登記)

3年前に父が亡くなりましたが、いまだに土地建物が父名義のままになっていると思います。早めに登記名義の変更手続き(相続登記)をした方が良いのでしょうか?それとも、法務局等が自動的に変更手続きをしているのでしょうか?
まず、法務局等が登記名義を自動的に変更することはありません。したがって、売買や相続等により権利を取得した場合には、登記名義の変更の申請をしなければなりませんので、ご注意下さい。
また、相続登記には、法律上期限はありませんが、手続きをせずに放置しておくと、次のようなデメリットがありますので、早めの手続きをおすすめします。
〈デメリット〉
1.土地や建物が死亡した方の名義のままだと、売ることや担保にして融資を受けることができません。
2.相続登記を放置している間に相続人の一人が死亡すると、その人の子・配偶者等が権利義務を承継し、これらの方々にも、相続手続きに協力してもらわなければいけなくなります。このように時間の経過とともに、遺産分割協議(遺産を誰にどのように分けるかの話し合い)を成立させることが困難になってきます。さらに協議が成立しないと、調停、裁判にまでなる可能性があります。
3.時間の経過とともに相続人が高齢化し、意思表示が困難になる方が出てくることがあります。この場合、この相続人の成年後見人の選任等の申立を家庭裁判所にすることが必要となる場合があり、さらに費用がかかってしまいます。
4.相続登記を放置している間に、建物の老朽化等により他者に損害を与えてしまった場合、法定相続人全員が損害賠償責任を負わされてしまう恐れがあります。